*前話*
そのまま手首があがり、万歳するような姿勢になる私。
掴まれた手首は、壁に押し当てられていた。
「っっ?!」
次の瞬間、私の口は黒田の口で塞がれていた。
なんとか黒田の顔を振り払おうとしたが、無駄だった。
私の力を上回る力で、黒田の顔がめり込んでくる。
な、何、この人…
後頭部から壁の硬さが伝わってくる。
今度は腕に力を入れてみたが、やはり逃げられなかった。
「んんっ」
黒田の上唇がめくれあがり、唾液で濡れた部分が私の唇を押し上げてくる。
酸っぱい汗の匂いと体臭が漂ってきた。
黒田の体臭。
鼻呼吸する気が失せるが、口が塞がれている。
苦しいっ…
何かを諦めかけたその時、パッと黒田の顔が離れた。
「桜木さん、
わたしと桜木さんの関係を誰にも言わなければ、わたしも、桜木さんがやっていたことを誰にも言いません よ^ ^」
目の前の黒田は笑っているように見えた。
私たちの関係?
付き合いたいってこと?
私に彼女になって欲しいってこと?
「わたし、前から桜木さんのこと素敵だなぁって思ってたんですよ。
でもまさか、こんなにエッチな方だとは思いませんでした」
言葉が出ない。
一体何が起こっている?
いつのまにか、片手で私の両手首を抑えている黒田。
もう片方の手が、軽くウェーブのかかった私の髪の先を触っている。
えっ、なにこの姿勢…
どうすれば…
黒田の顔が近いせいか、上半身に緊張が走る。
黒田は、私の髪を手のひらの上にのせ鼻を近づけた。
匂いを…
あっ、そうだ…
「く、黒田さん!
盗撮ですよね?」
そう、あれは絶対に盗撮。
犯罪行為。
あれ?
外でオナニーをやるのって犯罪だっけ?
いや、今はそんなことを言っている場合じゃない。
とにかく今は、黒田の動きを止めたい。
反撃開始
のはずだった。
「?
ああ、盗撮といえば盗撮ですね」
いや、それしか言いようないでしょ。
「違法ですよね??」
髪に鼻を這わせていた黒田が、顔を上げる。
「はい。
まだ、撮影し始めて1ヶ月くらいなのに、まさか桜木さんの秘密を知れるなんて。
びっくりしましたね」
饒舌でしゃべる黒田の口が私の耳元に移動する。
コソコソ話しをするように、囁きはじめた。
「で、大人のおもちゃでホットヨガ中に気持ちよくなってたんですか?
それとも、シャワー室でしょうか?」
私は完全に黒田の言葉に気を取られていた。
気づくと、黒田の右手が私のウエストボタンを外しかけていた。
続き
ホットヨガ教室で(7)
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