私のなかからも、積もった快感が溢れ出しそうになっていた。
『一緒に、イキそうっ、なんてっ』
荒木の腰の動きはピークと思われる速度になっていた。
ズボッズボッズボッズボッ
終わりがないと錯覚するこの快感も、いつもある一点に向かって収束していく。
荒木の指で擦られているクリは熱くなり、そこからの気持ちよさとまんこの中からの気持ちよさが膨れ上がっていく。
『私も、イッちゃうぅっっ』
荒木にイッていることがバレないよう、必死で表情を抑えていた。
呼吸を整えていると、じゅわ〜っと私のあそこの奥に熱いものが広がっていた。
目の前の荒木が、虚な表情で大きく胸で呼吸をしている。
腰の動きもゆっくりになっていた。
自分の世界にイッた荒木。
同期のあの液体が、私のなかに入ってくるなんて。
涙が出そうになるのを堪え、だるさが残る腰を力強く引くと入ったままの荒木のモノがずるりと抜けていた。
空っぽになった私のあそこ。
空洞ができたような違和感を無視し、急いでスウェットに脚を通す。
何も考えないように、雑に着た服を整えると部屋のドアに走り寄る。
荒木がどんな表情をしてようが、私には関係ない。
ああ、どうして毎回イった後の頭はこんなに冴えてしまっているんだろう。
私は勢いよくドアを開けると、くるっと体を外に出し音を立てずに扉を締めていく。
次の瞬間、視界の端に隣の部屋のドアが開くのが見えた。
ドキッと私の心臓が跳ね上がる。
頭をフル回転させ、次の行動を選択しないと。
今、走って逃げても絶対に背中を見られてしまう。
背中だけでも、誰なのか見当がついてしまうだろう。
逆に怪しまれる。
ここは、むしろ当たり前のことをしているようにゆっくりと動くべきか。
「あれ?伊藤じゃん」
同期の間宮がこちらを見ていた。
そういえば荒木の隣の部屋だったっけ。
「間宮くん、おはよ。お出かけ?」
「うん、っていっても目の前のスーパーだけど。
伊藤は、あー、荒木の話聞いてあげてたの?どうだった?」
二人で自然に歩き出し、部屋から離れていく。
「うん、いろいろ考えてるみたいだよ」
ドキドキと私の鼓動が鳴り続けていた。
「あー、そうなんだ〜。
まぁなんていうか、他人ごとじゃないよな〜。
俺もいつ同じ状況になるか分からないし」
「うん、そうなんだよね〜・・・
あ、私は部屋に戻るからここで!
気をつけて行って来てね!」
「あ、おー。また」
出口に向かって歩いていく間宮の姿。
私は心がギュッと掴まれたような感覚のまま、急いで階段を駆け上がっていた。
荒木からは、意外と早く逃げてこられたじゃないか。
そう自分に言い聞かせていた。
二週間後。
お昼休み明け、ぼーっと社内の電子掲示板を閲覧していた。
突然、体が硬直する。
退職者の欄にある荒木の名前。
あの日の出来事が蘇り、あそこが疼く。
私の頭が一瞬熱くなったが、すぐに冷めていく。
同期が辞めた。
大切だった同期が辞めた。
人に優しくしすぎることは辞めようと思ったあの日。
同期をモテ遊んでいたことを反省したあの日。
私は無表情で開かれたタブを閉じていた。
終わり